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新聞2
また「デーリー東北」の天鐘にピッピと…。



天鐘(10/28)
 私たちは道元や親鸞よりはるかにたくさんの本を読んでいるはずだが,彼らより考えが深いとはとても言えぬ。読書量の多寡は人間の質とはあまり関係がない―▼思わず「その通り」と相槌を打ちそうになるが,これは1日30~40冊を読破し75歳の生涯を閉じた作家井上ひさしが自らの読書体験を締め括った言葉だ。寝食を忘れ人生を読書に賭けた人が初めて言える言葉である▼本代は多い時で月500万円,蔵書は図書館平均の12万冊を凌ぐ20万冊。それほどの本の虫が本業の作品を紡ぐ時間があったのか?。案の定“遅筆堂”と自称して締め切りに間に合わないとしばしば雲隠れした▼読書量で双璧をなしたのが司馬遼太郎。コーヒー1杯を飲む間に文庫本1冊を読み,資料は古書店から数千万円単位でかき集め軽トラックで運んだ。井上が日露戦争の資料集めで司馬に一歩遅れたら,古書店にはぺんぺん草も生えていなかったという▼食事中も本を手放さなかった芥川龍之介も全てを和漢洋の読書に費やしたが,生涯の読書量を試算したら1万冊に満たず愕然としたとか。逆に芥川の速読を批判した堀辰雄はプルーストの『失われた時を求めて』を精読し過ぎて完読できなかった▼読書に人生を捧げて初めて人間の質と相関しないと言えるがそれも程度問題。今時の大学生の読書は1日平均27分,4割は全く読まずスマホに明け暮れる毎日。米国の大学生は卒業までに400冊,日本は100冊読むという。この差が学力差に反映される現実も怖いが,もっと怖いのは4割の0×0=0である。
by p3-saito | 2014-10-28 20:45 | Trackback | Comments(3)
Commented at 2014-11-02 01:53
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2014-11-02 01:54
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Commented at 2014-11-02 01:55
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